手根管症候群の手術で内視鏡による手術がありますが、小切開手術とどちらがいいかについて書いてみます。
手根管症候群の手術は以前は切開して手術することが普通でした。ただ術後の合併症としてpillar painといいまして手掌部のひどい痛みが出るケースがしばしばありました。原因は手掌部の細い神経を損傷するためだと考えられていました。
そのpillar pain対策として手掌部を切開しなくて済むように内視鏡下による手術が出てきました。内視鏡下の手術では手掌部は切開しなくて済みます。
その後、鏡視下手術でもpillar painは出現するという報告が出てきており、小切開手術とpillar painの出現率は変わらないという話になってきました。
そもそもpillar painの原因は何かという話になり、意見は分かれるところはありますが手根骨の配列異常ではないかという話になってきています。
一方鏡視下手術で神経損傷等の合併症の報告も出てきました。これは小切開手術ではほとんど起き得ないもので狭い視野で手術することが原因のようです。
つまり鏡視下腫術はpillar painは防げないは神経損傷等の合併症は増えるはでメリットがないだけでなくデメリットがあります。
日本手外科学会でアンケートをとったところ現在では小切開手術を行う医師が8割程度、鏡視下手術を行う医師は2割程度となっています。
現在では鏡視下手術は否定されてはいませんが小切開手術が主流となっています。
このような話の流れから考えて私は小切開手術を行っていますし、鏡視下手術ではなく小切開手術を勧めます。
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