母指CM関節症とは
母指CM関節(手根中手関節)とは母指の付け根の関節で三番目の関節になります。(普通の感覚では母指の付け根の関節はMP関節「第二関節」でそれより手関節に近いところにある関節で手関節の橈側「親指側」に近いところに当たります。)この関節が軟骨が磨り減ったり亜脱臼したりすることによる疾患を母指CM関節症といいます。
症状
母指CM関節の疼痛を訴えます。物をつまんだりビンのふたを開けたり母指に力がかかる際に痛みは強くなります。
診断
レントゲン上軟骨の変性や亜脱臼が認められれば診断がつきます。ただ亜脱臼や軟骨変性の程度と症状とは必ずしも一致しません。
治療
症状が軽いときは装具による固定やステロイドの注射を行います。
症状がひどくなると手術を行います。レントゲン上の変化が比較的少ない時は第一中手骨外転対立位骨切り術、レントゲン上の変化が大きいときは関節形成術、関節固定術、人工関節置換術等を行います。
第一中手骨外転対立位骨切り術:比較的軽症(Eaton分類stage1〜2)で行います。第一中手骨基部で30度の骨切り術を行います。CM関節内における負荷のかかる部分がかわることで疼痛が軽減されます。
長所⇒関節可動域制限が出ない
⇒握力が低下しない
⇒将来的に関節固定術、人工関節置換術、関節形成術のいずれにも変更でき、治療の選択肢を制限しない
短所⇒比較的最近出てきた術式で未解明部分もある
関節形成術
長所⇒関節可動域制限がない
短所⇒握力が出にくい
関節固定術
長所⇒力が入りやすい
短所⇒母指の可動域制限が出る(具体的には母指と示指で物をつまむ際に母指の側面と示指で物をつまむ格好になる、手を突く際に母指が十分開ききらない)
⇒偽関節の心配がある
昔は関節固定術が主流でしたが近年関節形成術がはやってきています。第一中手骨外転対立位骨切り術が最近話題になってきています。人工関節は長期成績の問題で下火になってきています。
母指CM関節症のEaton分類(旧分類、1973年)
母指CM関節症のEaton分類(新分類、1984年)
(注:新分類と旧分類では同じ著者のものなので基本的に新分類の方が正しいはずです。しかし旧分類の方が手術適応の決定に適している面もあり、旧分類も用いられている「というか混同されて使われていることが多い」。)
Web手外科研究所の相談メール(母指CM関節症)
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